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天気と色の関係性とは

基本的に色とは光が物に当たって反射した色光が色として我々の眼に映る(または光源自体が持つ色が)。そして天気による色への影響は色光を反射する環境や光源の形成に大きく関係し、それらが物体や風景(空気の様な物体性の無い物も含む)に反映され、特に屋外で顕著に現れる。その影響は主に太陽光と取り巻く大気等の環境に起因する処が大きい。

・晴れの場合
よく晴れた日には、太陽の直射日光により陽の当たった面は明度が上がり明るくなり同時に彩度の高い有彩色を持つ面であるならばより高彩度の鮮やかな色を見せる。そして陽の当たらない陰影の面では太陽光とは反対方向から降り注ぐ青空からの青い反射光が当たり元々の暗さに少し明るく青み掛かる(青空に在る大気分子が白色光の含む短波長である青い色光を反射しやすい為)。加えて太陽光は僅かに黄色み掛かった白い光であり光の面と陰影の面が黄色と青の補色(反対色)同士の関係になり更に際立つ事となる。そして何より光源である太陽が点光源(豆電球の様なある一点から発せられる光)の様になり光と闇(言い換えると白と黒)のコントラストも強くなる。

・曇りの場合
逆に、雲に空一面覆われるくらいの曇りの日には、太陽からの直射日光も厚い雲によってかなりの割合で遮られ照度も弱くなり雲を通過する際に散乱(向きを変える事)させられ多方向から発せられる面光源(長い蛍光灯が数本並べられた照明の様な、面の様に広い光源から全体的に一様に発せられる光)の様な散乱光になり、照度が弱まった分だけ陽が当たった面も明度と彩度を落とし、陽の当たらない面でもレフ板を使用した写真撮影の様に散乱した光が陰影となるはずの面にも降り注いで暗さを失い、結果として明部・暗部共に均等に光が照射され明度・彩度の差を失い明部と暗部が同一の一つの面となり全体的に少し暗く彩度を落としたその面が持つ固有色による平坦な(=コントラストによる陰影の段差の無い)面になりやすい。雲という細かい水分の集まりから反射および透過される光なので白く弱く柔らかい光となり、青空も無いので青い反射光も当然無くなる。

・雨の場合
雨の日は曇りと同じメカニズムが働き、雲が厚くなり黒い暗い雲になるほど光は地上に届きにくくなり物の色も暗く鈍くなる。さらに雨という大きい水滴による乱反射を起こす大気物質が増えるので(特に電灯等の光源が有った場合には)より強い散乱も起こりやすくなる(霧発生時も同様に)。

・夕焼けの場合
夕焼けでは、地平線にある沈みかけの太陽から発せられる光に含まれる長波長の赤い光が我々の居る遠い位置まで届いている事で空が赤く見えている(他の色の波長は大気中の分子や物質による散乱に阻まれやすい)。朝焼けより夕焼けの方が赤く見えるのは人の活動による大気の動きが多いからとされる。

・夜の場合
夜は暗い場所では、人間の眼に備わる光に対する感度の役目を果たす視細胞(杆体)の感度の良さが短い波長の方に偏り青み掛かって見える生理的な視覚作用であるプルキンエ現象が起こる。加えて照度はとても低いが月は太陽光を反射している間接的な太陽でもあるので夜空に青空な様な効果を僅かにもたらす事もある。光に対する視細胞により眼が慣れるとはいえ闇夜において月や電灯による光が少なくなるほどコントラストや立体感やはっきりした輪郭を失いぼやけた様に見え平坦な闇の色に支配され光が少なくなる曇りや雨の日はその傾向が強まる。

これらはあくまで代表的な例であり天候により微妙に又は大きく我々を取り巻く色彩に天気は大きく影響を与えてくるものである。