2023年7月末頃に、自民党女性局の議員や局員関係者ら38名によるフランスでの研修中に議員らがSNSに投稿した記念(?)写真がインターネット上で問題となりテレビや新聞等紙面でも取り上げられて炎上した。
海外の豪華な食事や訪問した宮殿での様子等の写真も目立っていた様であるが、極めつけとなったのがエッフェル塔を背にして三人の女性が頭の上で尖らす様に両手を合わせて塔の形を模したポージングをした全身図の写真である。
この件に関して、税金から拠出された政党助成金を含む党費を使用したのでは(一部自己負担と弁明はされているが)?、人数が多過ぎるのでは?、研修よりも観光の比重が多かったのでは?、等の批判が内外から多数あった様だ。
もちろんこれらは批判や改善を追求されるべき多く問題を含んでいる。ただ研修の目的が"フランスの少子化対策に学ぶ"という内容であった様なので、であるならば研修の部分に比重を置いてきちんと仕事を遂行した上で常識的な範囲で空いた時間に普段体験出来ない類の食事や買い物や名所観光も出来たという内容を研修結果の報告に添えてSNSへ投稿したという様な事であったならばここまで炎上はし無かったのではとも思う(一般的社会通念やその組織の規約にもよるとは思うが)。
すべき事をきちんとやり遂げた上で(研修の合間や始まる前や終わった後に)、例えば記念写真を撮るのは良いとして(それをSNSに投稿する必要があったのかは疑問であるが研修の公衆への報告としてなら良いかもしれないとして)、今回の件の炎上ではあのエッフェル塔の写真の特にあのポージングが(この渡仏の趣旨を本質的に象徴しているのか?)、結果的に伝達するイメージとしてのインパクトと破壊力を生み出しその投稿を見る多くの人々に対して強く煽ってしまった事による処が大きいのではないかと考えられる(研修が実際どの様であったにせよ発信している内容を以って疑義が持たれるならば。また仮にあのポージングで無い普通の記念写真であったならどうであったのだろうかとも考えてしまう)。
特に政党や議員という国民を無視して蔑ろにしてはいけないポジションでの研修にも関わらず、昨今の増税やコロナ禍や円安やエネルギー高騰による物価上昇等の情勢による不況に苦しむ人の多い日本の経済的社会状況で、その政的部分を担う主導者が私達は関係無いと言わんばかりに(感じさせてしまう)、多くの国民の心情を無視して煽る様な(と受け取られる様な)ポージングが、SNSを通じて、議員ならば民を慮るべき想像力や視点の欠如から、今もなお我慢を強いられ耐え忍んで苦しむ人々の逆鱗に触れてしまったのではないかと考えられる。
近年のブログやSNSや動画投稿サイトでの炎上騒ぎは比較的若い人に偏っている様に思われがちであるが、日々進化する新しい未知を伴うIT技術に触れる事は、年長かそうで無いかは新技術に対する経験値に差が無く関係無いので、誰であってもそういった技術を使用する際にはそれがどの様に作用するのか又はしてしまうのかといった事を考えられる想像力を養っておきたいと考える。