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YouTube疲れとユーチューブ離れ

コンテンツにおいてユーザーが使用継続を止めてしまういわゆる"〇〇離れ"が目立って起きる現象は裏を返せばそのコンテンツの規模の大きさの証明でもある。

YouTubeにおける視聴者の数はこれまでテレビをメインに見ていた視聴者である、イノベーター理論が言う所の新しい未知の物を採用する際の人々の動きを五つのグループに分類した内の一つである、レイトマジョリティ層(後期多数派)を中心に取り込みその数を今も増やしている様である。動画を作り配信する投稿者においても、YouTube自体の膨大な視聴者数・高い知名度・収益性の良さ等もあり、テレビ業界や他の動画配信サービスからの移行や動画配信自体初めてのユーザーらにより新規の参入者も以前より多くなっている。

しかしユーザーが増えているとはいえ先に挙げたイノベーター理論のグループの二番目のいわゆる先駆者・先行者に当たる古参ユーザーとでも言うべきアーリーアダプター(初期多数派、一番手はイノベーター)のとりわけ視聴者においてはここ近年SNS(ソーシャルネットワークキングサービス)等に見られる"SNS疲れ"の様ないわゆる"YouTube疲れ"を起こしている声も聞く。これは規模が大きくなり長年使用されるコンテンツにはユーザーの飽きや合う合わないもあるので起き得ても仕方無い事ではあるし、改悪によりその傷を広げる事もある。そして疲れが生じてコンテンツから離れるというパターンがある(その後に他の動画配信サービスに流れるか動画自体見なくなるかはさておき)。

疲れを起こす原因は離脱するユーザーの数だけ多々あるのだろう。
主に考えられる理由として、

・チャンネル数の増加により、視聴したい動画の数の増加に対し視聴時間の確保が困難になったり、好みの動画を個人の人力で膨大な動画数の中から探し出す検索能力に限界が生じた。(YouTube内のお勧めのサジェストや検索機能のリザルトは過去の視聴履歴に応じた物及び再生回数の多い物優先な事が多く未知のサジェストやリザルトは少なくユーザー視点から見るとあまり精度の良い物では無いという声も聞くし個人的にもその様に体感する)

・視聴そのものや動画検索やコメントその他の機能のUI(ユーザーインターフース=操作の方法やその画面)の使い心地が不便になったり、不快に感じる長時間の動画広告が増えて、視聴しづらく使いづらくなった事等への不満と疲労が溜まった。(課金に応じれば広告は剥がせるがその選択をしない場合は"疲れ"では無いが広告に嫌気がさして離れる遠因となる)

・YouTubeの動画はどちらかと言えばテレビの番組の様に万人向けに遍く好まれる様に作られる傾向は少なく、特に投稿者の中で最も多い個人や小集団での制作では個人の個性や嗜好や思想等が目立ちやすく視聴するにあたっては好みが別れやすく、それら動画の多チャンネル化つまり多様化により(その離脱するユーザーにとっては)つまらない又は不快な動画を見る機会が確率的にも増えた。

・映像メディアであると同時にブログやSNSの様な対人的コミュニケーション的性質も併せ持つタイプの動画も多い為にSNSで起こりがちな他者の生活の明るい煌びやかな部分ばかり見て意気消沈してしまい見たくなくなるパターンもあり得る。

他にも考えられるがこの辺りが主な原因として考えられる。(配信者サイドでは制作の継続の困難、収益に関する問題、誹謗中傷への嫌気、動画投稿に関するシステム等の機能やYouTubeの方針に合わない等が考えられるとして。)

コンテンツの規模が拡大し広く世間から認知されてメジャー化し多数のユーザー流入が起こると改善と同時に改悪や劣化も起こり得てとりわけ感度の高い先行者や若い人達は嫌気や疲れでそのコンテンツを離脱する事象が見られる事もある。コンテンツの人気による知名度の上昇により新たに流入して来た多くのユーザーに対応する為の改善が元々のユーザーに対しての改悪や劣化になり得る事も多い。尖っていた面白さが陳腐化してしまうなど元々持っていたエッセンスが濃縮されず薄まる事もある。始めは小規模な範囲における面白い人たちによる面白いコンテンツにその人気で幅広く認知されて後から来たあまり面白くない人たち(作り手側のユーザー、または受け手と共有して作り上げていく場合は受け手のユーザーも含む)が多数流入して来る事でそのコンテンツ全体が陳腐化しつまらなくなったとみなされ評されてしまう事は往々にしてある。お金の匂いが強くなり大人の事情が絡んでくると更にその面白さが薄まり嫌悪感すら感じる人もいるだろう。そして居心地が悪くなり離脱してしまう人もいる。

先に挙げたSNSにおいても今ではFacebookも始めは若者の間で流行りその後に幅広く世界的に社会一般に普及したものの近年では感度の高い先端を行く人達や若い人達はInstagramやPinterestやLINE等の新世代のコンテンツに移行するムーヴメントが起きている。YouTube等の動画投稿コンテンツにおいても、"疲れ"(どちらかと言うと大人社会への嫌気なのか)が関係あるか定かではないが、若い人達を中心にショート動画と呼ばれる短時間動画配信コンテンツのTikTokを主に使用する流れになっている。

やはりコンテンツ規模が大きくなると"疲れ"と"離れ"は宿命として付きまとってくるのは必然そしてジレンマで、視聴者としては依存してそのコンテンツに居続けると疲れてしまうので少し離れて休んでそれでも戻りたくなったら戻るくらいのスタンスで付き合うのが良いのだろう。